告白

  • 『告白』

  • 湊かなえ
  • 双葉社
  • 1,470円(税込)
  • 2008年8月
  • 女性教師が我が子を亡くしたある事件を軸に、さまざまな憎悪が絡み合う陰鬱なストーリーから浮かび上がるのは、現代社会への問いである。倫理観とは何か。人を裁くとはどういうことか。湊かなえ、衝撃のデビュー作。

最優秀推薦文

聞いて、聞いて、聞いて、救って

推薦文No.2-1
東京大学新月お茶の会

 この本の中で描かれる告白は我々が知るようなものとは異なっている。
 たとえば聖アウグスティヌスの告白は、全知全能の神に対して己の罪を懺悔し帰依を示すものであった。あるいはルソーの告白は自らの人生を赤裸々に語ることでありのままの人間の姿を示そうとするものだった。しかし、この作品における告白は呪いである。

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孤独、されど世界は在り続けるミステリー

推薦文No.2-2
新潟大学文芸部

 「告白」は、双葉社の小説推理に掲載した「聖職者」「殉教者」「慈愛者」に書き下ろしの「求道者」「信奉者」「伝道者」を加えて発行されたものである。著者である湊かなえは第一章の「聖職者」で新人賞を受賞した。しかし、結末まで読み終えての感想ではあるが、これだけでは物足りない。この本は「伝道者」まで読了して「聖職者」を越える衝撃が来訪する構成になっていると言えるからだ。第

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