夜は短し歩けよ乙女

  • 『夜は短し歩けよ乙女』

  • 森見登美彦
  • 角川書店
  • 580円(税込)
  • 2008年12月
  • 不器用な「先輩」は、風変わりだけど可愛い「黒髪の乙女」にベタ惚れしてしまう。珍事件も何のその、鈍感な彼女を振り向かせるべく奔走する先輩の大学生活やいかに……。味のある文体で綴られた恋愛ファンタジー!

まあるい夜を 歩いた乙女に捧げたい

推薦文No.5-1
麻布大学読書サークル

 人は一生のうちに、どれだけのオモチロイことと出合えるのか。そしてそれらに行き合った中の何人が、全ての〝オモチロ"はつながっているということに気づくのだろうか。
 人と人、モノとモノ、人とモノ、...、ひとつひとつは関係しあい、互いをせっつき合って回るらしい。そのくるくるは世界をつくり、世界もまたくるくるをつくっている。
 そんな世界の主人公は黒髪の乙女だ。
 物語を縦横無尽に歩いていく乙女の見るものは、全てがきらきらと興味深く、それらがみんな一本の糸でつながっていく様は世の中の不思議を思わせる。
 煌めく世界をしなやかにも堪能していく彼女を追う青年は、実はこれまた主人公で、一見不器用にも見える足どりをむしろ強引に動かし動かし、想い人への糸を辿っていく。
 たくさんの人と、それにまつわる物語が紡ぐ世界を、愛して止まない乙女、その乙女を愛したくてたまらない青年。
 けれど距離は縮まるのか、近づくことはできるのだろうか。

 世界のオモチロきことは 全てつながっている

 一抹の不安は、そんな絶対的事実に吹き消されるに違いない。
 これはそんなまあるい世界で、まあるい出合いに気づいた
 愛すべき人々のお話である。

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