虐殺器官

  • 『虐殺器官』

  • 伊藤計劃
  • ハヤカワ文庫
  • 756円(税込)
  • 2010年2月
  • 近未来、先進諸国は徹底的な管理体制に移行し、後進諸国では内戦や大規模虐殺が急激に増加していた。それらの虐殺に潜む米国人ジョン・ポールの影。彼の目的とはなにか? 大量虐殺を引き起こす“虐殺の器官”とは?

痛みを失った戦争の代償

推薦文No.2-1
帝京大学文学研究会Literaters

 戦争はなぜなくならないかという議論は、すでに耳に胼胝ができるくらい聞いたことがある。国家や民族の政略に利害が絡む以上、摩擦が生じるのは必然だからだ。しかしその本当の訳は戦争で受けた痛みだろうと、人はそれを忘れてしまうからに違いない。

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目を逸らしていた現実

推薦文No.2-2
関西学院大学文芸部

 虐殺器官というおどろおどろしいタイトルと、真っ黒な表紙。そんな異様な風体に、この本を書店でみかけてぎょっとした人は多いんじゃなかろうか。

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世界との折り合い

推薦文No.2-3
関西大学現代文学研究部

 内戦。紛争。虐殺。
 そういったことが、今も地球のどこかで起こっているらしい。
 らしい。
 そうとしか知らない。普段は気にも留めない。
 ある日、黒い本を手にとった。

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『虐殺器官』の書評

推薦文No.2-4
早稲田大学現代文学会

 あらすじは述べるまい。私が推薦したいのは、錯乱的になるほどの、戦争の感覚だから。

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「いま・ここ」を捉え直すということ――SFが提示する文学的想像力とは

推薦文No.2-5
中央大学文学会

 『虐殺器官』という作品は、他ならぬ伊藤計劃というSF作家自身が保有していた「知的体系そのもの」であると筆者は思っている。

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『虐殺器官』推薦文

推薦文No.2-6
法政大学もの書き同盟

 『虐殺器官』というタイトルから想起したのは、猛烈に鼓動する心臓であった。

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最優秀推薦文

私達は虐殺をする

推薦文No.2-7
慶應義塾大学三田文学塾生会

 本当に大切な人を守りたいと思った時、あなたはどうするだろうか? 大切で愛しくて、傷つけたくなくて、何者にも指一本だって触れさせたくないと思った時、あなたは別の誰かを犠牲にすることを、本当に躊躇しないだろうか?

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アリスが言葉の国に迷い込むように

推薦文No.2-8
日本大学文理学部小説研究会

 アリスが言葉の国に迷い込むように、私たちは狂気と暴力の世界になげだされる。

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