2012大学読書人大賞が決定!

4月22日、千代田区立日比谷図書文化館 大ホールにて、公開討論会が行われ、伊藤計劃著「ハーモニー」(早川書房)が2012大学読書人大賞に決定しました!

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この結果を受けて、6月8日には、日本出版クラブ会館(東京都新宿区)にて大賞受賞作家・伊藤計劃さんのご両親および担当編集者をお招きして贈賞式を行います。

>>贈賞式の詳細はこちらから


作品と推薦者の個性が光るプレゼンたち!

2012年4月22日、公開討論会の会場に、大学生・出版関係者を中心に約150名の方がお越し下さいました。

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討論会の模様035年目という大事な節目を迎えた大学読書人大賞。
これまで以上に「大学生にぜひ読んでほしい本」を選ぶために、候補作品の選定方法を大幅に変更しました。これまでは、一次投票で得票数の多かった4~6作品を候補作品としていました。
本年からは、一次投票で得票数の多かった18作品を候補作品とし、二次投票(それぞれの候補作品への推薦文の募集)で推薦文の数が多かった4~6作品を最終候補作としました。
結果として、過去最高数の推薦文が集まり、その中から選ばれし本好きの精鋭6サークルが各候補作品の推薦者の代表として登壇しました! 昨年に引き続き関西からも2サークルの出陣です。
実行委員長・森希衣(立教大学文芸思想研究会)と副委員長・北虎大樹(法政大学文学研究会)の司会でいざ開幕。

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討論会の進行も本年から一捻り!
より討論の公平を期すため、各候補作品が順番にプレゼン&討論を行った後、全体討論と言う形で、プレゼン&討論とは逆の順番で各候補作品の追加討論を行うという念入りな進行方法をとりました。
よって例年以上に散る火花、会場からの止まない質問、多くの観覧者が参戦し繰り広げられるガチンコの応酬!
私たちの社会や生活の中での文学の有効性や役割、さらに文学と現実との関わりについてといった本好きならではのテーマから、自身の「黒歴史」と向き合うことを通して、現代の大学生という世代について考えるユーモアたっぷりのテーマまで、時にシリアス、時に笑いも交えつつ、大学読書人大賞らしいバラエティに富んだ視点で討論は進みました。

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「Project=前へ投げかける」
未来に向かって何かを投げかけ続ける伊藤計劃の作品

そんな中、推薦書と作者への熱情、豊富な背景知識に裏づけされた見事な分析、打てば響く切れ味鋭い回答が光った、中央大学文学会・佐貫裕剛さん推薦の『ハーモニー』が大賞を獲得しました!

【佐貫さん受賞スピーチ】
「人間が人間であることの根拠をテクノロジーが切り崩していく、その果てにそれでも残る何かに、伊藤計劃ならばたどり着くはずだった。彼の小説に散りばめられた思弁のカギ、次へ行くためのヒントを解読する責任が、残された若き読み手にはある!」使命感と情熱に溢れたエネルギッシュな姿勢がとても素敵でした。

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【ゲストコメンテーター・永江朗さん全体コメント】
「震災前に亡くなった伊藤計劃の作品が、震災後の未来に向かって考えていくための大きなツールとなる、ということには大きな意味がある。
フィクションと現実をどうつなげるか、文学の果たす役割について、説得力あるプレゼンばかりでとても良かった。『飢えた子どもの前で文学は有効なのか』(サルトル)という文学界全体の問いにもつながる、素晴らしい討論だった。」

会場が一体となり白熱した、記念すべき5年目の大学読書人大賞公開討論会は、大盛況のうちに閉幕したのでした。

【2012大学読書人大賞 公開討論会の模様はこちらから】

『馬たちよ、それでも光は無垢で』推薦者
>推薦文を読む法政大学 もの書き同盟 古味祥吾さん
私個人としても大変貴重な体験となりましたし、サークルとしても誇れる活動の一つとできました。後輩にもまた来年、挑戦して欲しいと思います。
『青年のための読書クラブ』推薦者
>推薦文を読む京都府立大学 文藝部 井上大地さん
今回討論会を通して普段読まないようなジャンルの本に触れたり、複数人で本の深い意味を考えるという経験も出来たのでいい勉強になりました!
『図書館戦争』推薦者
>推薦文を読む立教大学 文芸批評研究会 藤掛伸さん
登壇者を各団体から二名にすればより議論も深まるのではないか等とも思いましたが、貴重な経験をさせて頂き感謝しています。ありがとうございました。
『天帝のはしたなき果実』推薦者
>推薦文を読む関西大学 現代文学研究部 和田晃さん
初対面の方々と話をするのは緊張しましたが、面白い経験ができました。
『ビブリア古書堂の事件手帖』推薦者
>推薦文を読む大東文化大学 國文學研究会 中村嘉音さん
非常に刺激的で緊張感に溢れる討論会でした。本好きな皆と本について語れて本当に幸せでした!この場を設けてくれてありがとうございます。

伊藤計劃著『ハーモニー』(ハヤカワ文庫)

ニ位 馬たちよ、それでも光は無垢で
二位 青年のための読書クラブ
四位 図書館戦争
五位 天帝のはしたなき果実
六位 ビブリア古書堂の事件手帖