贈賞式を開催!

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2012年6月8日(金)、東京・神楽坂の日本出版クラブ会館にて、「2012大学読書人大賞」の贈賞式を開催しました。

大賞作『ハーモニー』(ハヤカワ文庫)の著者・伊藤計劃先生のご両親と、担当編集者・塩澤快浩さんをお招きしました。

出版関係者および文芸サークルに所属する159名(過去最高!)の学生が参加し、活気に溢れ、若い読書文化のこれからを象徴するような盛況な式となりました。

「一番うれしい賞かもしれない」

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SFとは何でしょうか? 作者の弁を借りれば、「SFというのは社会とテクノロジーのダイナミクスを扱う唯一のジャンル」とのこと。そして、国内外で高い評価を受けた、ゼロ年代最高峰のSF作品、それが『ハーモニー』なのです!

そんな数々の賞を獲得した『ハーモニー』ではありますが、伊藤先生のご両親より「この作品はこれまでいろんな賞を頂いたが、若い人に紹介してもらえたのが、彼にとって一番うれしいのではないか」との大学読書人大賞受賞についての嬉しいコメントを頂きました。

さらに、贈賞式当日はなんとお父様のお誕生日!「私事ではあるが、このような日に大変嬉しい。ありがとうございました」私たちに読書の喜び・発見を与えるだけでなく、お父様のお誕生日に贈賞式を引き当てるという伊藤作品。魔法のように感動をもたらし続ける名作に、不思議な力を感じずにはいられません。

若者が彼のプロジェクトを引き継ぐのだ!

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『ハーモニー』を推薦した、中央大学文学会・佐貫裕剛さんのスピーチは、穏やかながらも討論同様作品へのリスペクトと熱意に溢れたものでした。本書を箱根の山奥にて夢中で一気読みしたエピソードを紹介し、「それ以来、世界の見え方が違ってくる感覚を味わった。私たちが生きているありきたりな世界の表層をひん剥き、本質はこうだ、と訴えかけている伊藤作品。その言葉を受け継いだ僕たちが見ている世界は、広い意味で伊藤さんの次回作である。伝えたかったもの、プロジェクトを受け継いで、なにかの形に出来れば」と語る姿は、いかにも頼もしくエネルギッシュな若者なのでした。

早川書房編集者・塩澤さんへの質疑応答

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デビュー作原稿を読んだときの第一印象や、伊藤先生の人物像、またフィリップ・K・ディック記念賞特別賞の受賞理由など、様々な質問に答えていただきました。

「現代世界を見るとき、主人公の性格はナイーヴだが冷徹な視点で、厳しい世界の見方を見せてくれるところが、他の作家にはない伊藤さんの特徴だった」とのこと。

また、公開討論会のゲストコメンテーター、永江朗さんからも、「『人生は短いが芸術は長い』。作家が残した作品を若い読者が友人に伝え、後世に伝えようとしていく。これは書物のすばらしさの本質である」乾杯の挨拶を頂いた早川書房の早川淳副社長からも、「SFは警鐘をはらむ社会派小説であり、人間とは何か、生きるとは何かを問う哲学小説ともなる。その魅力をどんどん広げていってほしい」と激励のお言葉を頂きました。

広がる本好きの交流の輪、そして第6回!!

文芸サークルの皆さん、出版関係者の方、伊藤先生のご両親。皆さんが参加しての歓談タイムも、明るい雰囲気に包まれていました。大学読書人大賞はこれからも、多くの本好きが交流し刺激しあえる場として精進して参ります。

【2012大学読書人大賞 贈賞式の模様はこちらから】


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さあ、第6回はもう始まっています!2011年11月1日から2012年10月31日までに国内で第1刷が発行されたすべての本の中から「2013大学読書人大賞」が決定するのです。最優秀推薦人となって、本の魅力を熱く語り伝道してみませんか? 皆様の参加、心よりお待ちしています。

お問い合わせは dokushojin@jpic.or.jp まで。

(写真=陣内佑紀)