ニンジャスレイヤー ネオサイタマ炎上1

  • 『ニンジャスレイヤー ネオサイタマ炎上1』

  • B.ボンド,P.N.モーゼズ
  • エンターブレイン
  • 1,260円(税込)
  • 2012年9月
  • ニンジャを殺すニンジャ、ニンジャスレイヤーは、今日もネオサイタマの宵闇に復讐を行う。英米発、Twitter経由で語られる、全く新しいサイバーパンクニンジャ活劇。

ニンジャ、ニンジャナンデ? アイエエエエエ

推薦文No.12-2
東京工業大学SF研究会リリカ団

 あなたはニンジャと聞いて何を思い浮かべますか?
 あなたがどんなニンジャを思い浮かべたとしてもこの作品で出てくるニンジャとあなたの思い浮かべたニンジャは違うでしょう。
 しかしこの作品を読んだあとにもう一度同じ質問をされたならば、あなたの思い浮かべるニンジャはこの作品に出てくるニンジャに違いありません。
 それほどまでにこの作品は独特で衝撃的です。

 物語はネオサイタマを舞台にニンジャスレイヤーがニンジャに復讐をしていくものです。
 これだけ聞くとシリアスな話に思えるかもしれません。
 しかしこの作品の斬新な世界観はシリアスにしかなりえない話をある意味でのコメディへと変えています。
 外国人の考える間違った日本文化というものを想像して見てください。
 スシ、サムライ、ゲイシャなどの言葉が思い浮かんできませんか?
 この作品ではそのような間違ったイメージから斬新な世界を創り出しています。
 初めてこの作品を読むときにはその異様さに面白さを感じるでしょう。
 この異様さは作品中のいたるところで現れます。
 ニンジャは礼節を重んじ、イクサは「ドーモ」のアイサツから始まり、死ぬときは辞世の句を読んでから「サヨナラ!」と叫んで爆発四散する、このように異様さはセリフや行動だけでなく設定からも感じられます。
 しかし、異様ではありますが世界観にまとまりがないわけではありません。
 しっかりとまとまりのある世界を構築しています。
 私たちには不自然に思えることでもその世界では自然なことなのです。
 なので、一度でもこの世界観に入り込めれば、不自然に思える行動や事象もシリアスな雰囲気を阻害するものではなくなります。
 そうなると今度はシリアスな作品として物語を読んでいくことができます。
 シリアスな作品として読んだとしてもこの作品は面白いのです。
 さらに、たとえシリアスに疲れたとしても、一歩引いて見ることにより異様さをコメディとして楽しむことができ、逆にコメディに飽きたとしても世界に入り込むことによってシリアスさを楽しむこともできます。
 とはいってもやはり斬新な世界観による異様さこそがこの作品の一番の魅力です。さあ、あなたもこの異様な世界を楽しんでみませんか。

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