JORGE JOESTAR

  • 『JORGE JOESTAR』

  • 舞城王太郎
  • 集英社
  • 1,995円(税込)
  • 2012年9月
  • 無数の世界にわたるディオとジョースター家の因縁の物語が、舞城王太郎の手により時代を時空を超えてここに誕生! 超ド級のジョジョ愛に溢れた空前絶後の「ファン小説」ッ!

ジョージ・ジョースターは楽しいだけ

推薦文No.6-1
法政大学もの書き同盟

 「大丈夫か?」と俺は問う。
 それは「読めるのか?」という意味だ。この本はジョージ・ジョースターという主人公が活躍する小説である。ここでピンとこないということはジョジョを読んだ事のない人間だということだ。ならこの本を読み通すことは無理だし、そんなのは無駄なことだ。電気が無いのに炊飯器を買っても米は炊けないように、ジョジョの知識が無ければこの小説の面白さの一割も理解できないだろう。しかし、それは逆に言えば、火と鍋の扱いを覚えることで美味い飯が食えるように、時間をかけて知識を入れさえすれば、きっと最上のエンターテイメントだと気付けるということでもある。ゆえに俺はまずここで扇動する。いますぐジョジョを読んでくれ。これは懇願だ。きっと面白いから。
 そしてここからはジョジョを読んだことのある人に向けた推薦を書く。この小説はジョジョの世界に新たなページを差し込むジョージ・ジョースターの章と、全てをミキサーにぶち込みフュージョンさせたジョージ・ジョースターの章とが交互に描かれる。この二つの章は互いをパラレルワールドとして関連付けられており、ジョジョ本編に出てきたキャラクターがあちらこちらに顔を出す。史実が好きならばジョジョの空白を埋めようとする前者に拍手を送りたくなるだろうし、ジョジョのキャラクターが好きならば後者のジョージ・ジョースターの章の後半からのぶっ飛びには面白すぎて気絶してしまうかもしれない。俺は断然後者を薦めたい。だってもうしっちゃかめっちゃかだ。ここまで既存の作品を遊び倒したトリビュートは過去に例を見ないのではないか。薦めるにあたって、これを読んでくれた人にあなたの人生を見つめ直してほしいだの、周りの環境に敬意と感謝を忘れないでほしいだのといった教訓を与えたいわけじゃない。そんなのは邪魔なだけだ。俺はただ単に、「コレ面白いぜ」「読んだら語り合おうぜ」を伝えたいだけで、それは大学生の今しかできない楽しみ方だと思うからだ。有り余るエネルギーだけしかない大学生、そんな君だったら絶対に楽しめる。むしろ楽しむこと意外にこの本から得られるものは無いと言っていい。真実は繰り返される、ならば最後にまた言おう。
 「ジョジョを読み、これを読め、君は絶対に楽しめる」

推薦文一覧へ戻る

最終候補作品

候補作品