2013大学読書人大賞が決定!

4月21日(日)、明治大学リバティータワーにて公開討論会が行われ、野尻抱介著『南極点のピアピア動画』(ハヤカワ文庫JA)が、2013年大学読書人大賞に決定致しました!!

討論会の模様01

この結果を受けて、6月7日に、日本出版クラブ会館(東京都新宿区)にて大賞受賞作家・野尻抱介さんをお招きして贈賞式を行います。

>>贈賞式の詳細はこちらから


雨をも蒸発させる白熱バトル!!!!!

4月21日公開討論会当日、雨が降り4月とは思えない肌寒さにも関わらず、会場である明治大学リバティタワーに100人近くの方々が足を運んで下さいました。また、来場が難しい方のために、今年もTwitterでの実況中継とUSTREAMでのライブ配信を行い、討論会の臨場感に触れていただけるようにしました。

討論会の模様02

昨年に引き続き関西の大学からもご参加いただき、大学読書人大賞が全国に広まりつつあることを実感しています。そして、参加・協力してくださる皆様のおかげで、当大賞は無事に6年目を迎えることが出来ました。しかし何年経とうとも、私たち大学読書人実行委員会は「大学文芸部員が大学生に読んでほしい本」を選ぶためのより良い方法を模索し続けます。昨年の当大賞について「人気作品が選ばれる傾向にあるのではないか」「最終候補作品を推薦文の量(投票数)ではなく質で選ぶべきではないか」というご意見をいただき、今年から最終候補作品の選考に「推薦文の質」が重視されるよう選考方法を改訂しました。結果として歴代と比較しても、当大賞の趣旨である「大学文芸部員が大学生に読んでほしい本」が強く反映された最終候補作品になったと感じています。

討論会の模様03

その甲斐あってか、公開討論会の会場全体に期待感がみなぎり、例年以上の緊張感の中、実行委員長の森本珠央さん(早稲田大学現代文学会)と副委員長の寶泉貴之さん(中央大学文学会)ら司会の挨拶によって公開討論会が始まりました。普段の運営会議では、積極的で頼れる二人ですが、「大丈夫かな」と、ほんの少し不安な心持ち(余計なお世話かもしれません><)になるほどの緊張感でした。しかし、いつもどおりの歯切れ良さで、爽やかなスタートを切ることができ、委員一同ホッとしたのでした。

討論会の模様04

一次投票、二次投票を潜り抜けてきた各大学のプレゼンター達も、最初、会場全体をつつむ期待感と緊張感に煽られ、緊張気味でしたが、ゲスト司会の永江朗氏によるユーモアに富んだ進行とコメントのおかげで徐々に緊張がとかれ、堂々としたプレゼンテーションと議論を行い、笑いも起こりつつの見ていて楽しい知的な討論会になりました。そして途中からは客席からの質疑応答も加わり、討論会はヒートアップ! 「物語とは何なのか」「作家の過去の作品と現在の作品の関係性」「大学生の心をつかみ続ける伊藤計劃とは何か」などをテーマに、白熱した議論が展開されました。

討論会の模様05

最終的に、「この本をなぜ大学生に薦めたいか」という問いに対して最も共感を得て2013大学読書人大賞に輝いたのは、獨協大学文芸部の齋藤史弥さんが推薦する『南極点のピアピア動画』(野尻抱介著/ハヤカワ文庫JA)でした! 齋藤さんは、本作を「SFが苦手な人でも入りやすいSF」であり、「フィクションではあるが、説得力のある“もしかしたら本当にそうなるかもしれない可能性”を感じさせる物語」と紹介し、「若いぼくたちはきっと(そのフィクション、可能性に)騙されてみるのがいい」という推薦理由を展開。白熱する討論会の中でクールさを保ち、訥々と紡がれる言葉には説得力がありました。

討論会の模様06

永江朗氏はそんな齋藤さんについて、「たしかに『南極点のピアピア動画』は人前ではカバーなしでは読みづらいかも。そして斉藤さんは、ちゃんとカバーをかけてます(笑)」や「斉藤さん最初、緊張でがちがちだったのに、順位決まった時にやっとにこって笑ったよね。笑うとかっこいいね!」とコメントし、会場は大爆笑でした!! また、一般来場されていた大森望先生からも討論会終了後にコメントをいただいたり、2位が2作品と4位が2作品となったりと、今までにない予想外の展開が起こり、印象的な討論会となりました。


【2013大学読書人大賞 公開討論会の模様はこちらから】
<前編>
Video streaming by Ustream
<後編>
Video streaming by Ustream

『南極点のピアピア動画』推薦者
>推薦文を読む獨協大学 文芸部 齋藤史弥さん
緊張して至らぬ点ばかりでしたが、この小説の魅力が少しでも伝わったのでしたら嬉しいです。そして何よりも私にとって貴重な経験になりました。
『屍者の帝国』推薦者
>推薦文を読む大東文化大学 國文學研究会 大塚雄介さん
とても楽しかったです。時間があっという間に過ぎてしまいました。あのような場に立てたこと、大変光栄に思います。
『倒立する塔の殺人』推薦者
>推薦文を読む明治大学 ミステリ研究会 笠原沙耶香さん
緊張していたはずですが、今はもう、本番中も楽しくてずっとわくわくしていたことしか覚えていません・・・。改めて、本が大好きだと思いました。
『いま集合的無意識を、』推薦者
>推薦文を読む立教大学 文芸批評研究会 河北華凛さん
各本を対比したり、著者の話ができたり、一人で本を読んでいるだけではできないような話ができて楽しい討論になりました。ありがとうございました!
『さよならクリストファー・ロビン』推薦者
>推薦文を読む関西大学 現代文学研究部 上野祐介さん
緊張したりしましたが楽しい経験でした。読書人大賞という貴重な場に感謝です。大賞を取った本をはじめ、各推薦本が読まれるといいな、と思います。
『ダークゾーン』推薦者
>推薦文を読む早稲田大学 ワセダミステリクラブ 荻原将弘さん
自分の伝えたかったことを全て伝えられたので、悔いはありません。何よりも、発表の場では自分自身が楽しめました。やりきった達成感で満足です。

野尻抱介著『南極点のピアピア動画』(ハヤカワ文庫JA)

ニ位 屍者の帝国
二位 倒立する塔の殺人
四位 いま集合的無意識を、
四位 さよならクリストファー・ロビン
六位 ダークゾーン