2014大学読書人大賞が決定!

5月11日(日)、日本出版クラブ会館(東京・神楽坂)にて公開討論会が行われ、伊坂幸太郎著『マリアビートル』(角川書店)が、「2014年大学読書人大賞」に決定しました!

討論会の模様01

この結果を受けて、6月18日(水)に、同じく日本出版クラブ会館にて、大賞受賞作家・伊坂幸太郎氏をお招きして、贈賞式を行います。


会場を巻き込んでの白熱した討論会!!

 初夏の陽気と母の日間近の賑わいを見せる神楽坂通り。その中を、100名以上の方が今年の大賞の行方を見届けようと会場へ足を運んでくださいました。
 会場では、去年に引き続き、来場が難しい方のためにTwitterでの実況中継とUSTREAMでのライブ配信を行い、討論会の臨場感に触れていただけるようにしました。「読書しながら聞いています」、「去年は『ピアピア動画』、さて今年は……?」と楽しいコメントが寄せられる中、いよいよ公開討論会が始まります。

討論会の模様02

 「大学読書人大賞」は、今年でなんと7年目。公開討論会の5名の登壇者の内、今年は関西の大学から2名の登壇があり、「大学読書人大賞」が全国に活動を広げていることを実感できる顔ぶれとなりました。
 この日登壇した5名は、多く寄せられた推薦文の中から、投票によって勝ち残ってきた面々。作品の魅力と、「なぜ大学生に読んでほしいのか」という「なぜ」をつなぎ合わせるのに、最も成功した推薦者と言えるでしょう。今年の大賞がどの作品に輝くかは、その「なぜ」が聴衆に受け入れられるかどうかにかかっているのです。

討論会の模様03

 学生と共にこの賞を主催する、一般財団法人 出版文化産業振興財団(JPIC)の中泉淳事務局長からは、フランスの「高校生ゴンクール賞」に端を発した当賞の成り立ちをはじめ、候補作の決定からこの日の公開討論会まで、多くの段階を経てきている意義などについてお話がありました。
 実行委員長の柿崎真凜(立教大学文藝思想研究会)と副委員長の有澤友里(早稲田大学art&books)の頼もしい司会により、今年の大きな変更点の一つである「会場票」について説明があった後、いよいよ各推薦者によるプレゼンテーションが始まりました。

討論会の模様04

 最終選考に残ったつわものといえども、推薦文に託した主張を表情や発声によって披露することは容易なことではありません。その緊張を、討論パートの司会を引き受けてくださったフリーライターの永江朗さんの、ユーモアに富んだコメントでほぐしていただきました。ひとりずつのプレゼンテーションの後には、登壇者同士による討論が行われました。登壇者たちは、本を愛してやまないイチ読書人として、あるときは知的に、あるときはエンタメ性高く、興味深く楽しい討論を展開しました。
 その後10分の休憩をはさみ、客席を交えた全体討論会が行われました。会場からは、登壇者のプレゼンテーションや討論を踏まえた鋭い質問が次々と投げかけられ、会場は今日いちばんの盛り上がりを見せました。

討論会の模様05

 議論の熱が冷めやらず、まだまだ語りたいオーラが会場に漂っていましたが、とうとう大賞を決定する時間がやってきました。登壇者、そして来場者による投票が行われ、「今、大学生に最も読んでほしい本」として「2014大学読書人大賞」に輝いたのは、法政大学もの書き同盟の砂場花観さんが推薦した『マリアビートル』(伊坂幸太郎著/角川文庫)でした!
 砂場さんは「この作品は日常という川に投げられた一つの石つぶてだ」と打ち上げ、作中で繰り返される「なぜ人を殺してはいけないんですか」の問いに焦点を当てて、「時間にゆとりのある大学生こそ思索の海に飛び込もう、それを可能にさせる作品がここにある」と、情熱溢れるトークを繰り広げました。厳しい質問にも明快に答えて、生き生きとした論を展開してくれました。

討論会の模様06

 2位の『富士学校まめたん研究分室』(芝村裕吏著/ハヤカワ文庫JA)、3位の『鳥葬 まだ人間じゃない』(江波光則著/ガガガ文庫(小学館))とは各1票差、4位の『こうしてお前は彼女にフラれる』(ジュノ・ディアス著/新潮社)、5位の『昨日まで不思議の校舎』(似鳥鶏/創元推理文庫)にも票が入って大接戦となり、新たに取り入れた会場票が結果を左右する形になりました。
 その後の「文芸サークル交流会」では、参加した学生たちが料理を囲み、充実した時間が過ぎていきました。来場者によるアンケートでは「もっともっと全体討論がしたかった」など、貴重な意見を多くいただき、これからも大学生の読書の可能性を拡げ、盛り上げることができそうな、手応えが得られた2014年公開討論会でした。


【2014大学読書人大賞 公開討論会の模様はこちらから】
<前編>
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<中編>
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<後編>
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『マリアビートル』推薦者
>推薦文を読む法政大学 もの書き同盟 砂場花観さん
 期待と緊張が入り混じった公開討論会は穏やかでありながら緊迫していて最高に楽しめました。ありがとうございました。
『富士学校まめたん研究分室』推薦者
>推薦文を読む大阪大学 SF研究会 山野望さん
 一票差で二位という結果に対しては悔しさもあるのですが、普段の活動ではできないような面白い経験ができたので、参加して良かったです。
『鳥葬 まだ人間じゃない』推薦者
>推薦文を読む関西大学 現代文学研究部 村中梓さん
 普段なかなか交流することができない方たちと関わることができて、いい刺激になりました。とても貴重な経験ができてよかったと思います。
『こうしてお前は彼女にフラれる』推薦者
>推薦文を読む立教大学 文藝思想研究会 渡辺貴之さん
 作品に対する新たな視点が得られ、非常に刺激的な場でした。ありがとうございました。
『昨日まで不思議の校舎』推薦者
>推薦文を読む法政大学 文学研究会 大地杏奈さん
 時間が少し足りなかったかと思いました。討論会ということで、登壇者同士が中心になって話し合うのかと思いきや、ほぼ一対一で他は傍聴という形だったのが少し意外でした。

伊坂幸太郎著『マリアビートル』(角川文庫)

ニ位 富士学校まめたん研究分室
三位 鳥葬 まだ人間じゃない
四位 こうしてお前は彼女にフラれる
五位 昨日まで不思議の校舎