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応募要項マンガ感想文コンクール2022

【対象マンガ】
マンガの裏表紙または巻末にISBNで始まる数字が記載されているもの、電子書籍の場合は正規配信版が対象となります。
学習マンガ(歴史や科学などの教科学習を文章ではなくマンガにしたもの)を除きます。
複数巻あるマンガは、全巻でも、その中の1巻でも応募可能です。

【応募資格および区分】
  • ①小学校低学年の部
  • (1~3年生)

  • ②小学校高学年の部
  • (4~6年生)

  • ③中学校の部
  • (1~3年生)

  • ④高等学校の部
  • (1~3年生)

※特別支援学校はそれぞれの対応する部に、中等教育学校および中高一貫校の前期課程は中学校の部に、後期課程は高等学校の部に、義務教育学校はそれぞれの学年に対応する小学校の各部および中学校の部に応募してください。


【用紙・字数】
ダウンロードした指定の原稿用紙、あるいは市販の原稿用紙などを使用し、縦書きで書いてください。原稿用紙には必ず、「氏名」「読んだマンガ」「感想文の題名」を明記し、手書きもしくはワープロソフト(400字詰め原稿用紙設定)で作成してください。文字数は下記の通りです。

  • ①小学校低学年の部
  • 本文
  • 400字以内

  • ②小学校高学年の部
  • 本文
  • 800字以内

  • ③中学校の部
  • 本文
  • 1200字以内

  • ④高等学校の部
  • 本文
  • 1600字以内

 ・句読点はそれぞれ1字に数えます。
 ・題名、氏名は字数に数えません。

※感想文に絵を加えての応募もできます(必須ではありません)。感想文とは別の用紙に、マンガを読んで感じたことや考えたことを、自由に描いてください。アナログ、デジタル、モノクロ、カラーなど問いません。必ず裏面に記名し、感想文とともに提出してください。


【応募作品】
・応募は日本語で書かれた作品に限ります。
・一人何通でも応募できます。
・応募は個人のオリジナルで未発表の作品に限ります。
・他のコンクール、コンテストとの二重応募は認めません。
・応募作品は返却しません。

【応募受付期間】
2022年7月1日(金)~9月30日(金)
応募受付は終了いたしました。

【作品提出】
・応募作品は、手書きでもワープロソフト使用でもかまいませんが、紙で提出してください。
・応募票をHPよりダウンロードして記入し、作品の一番上に添付してください(クリップなどでとめてください)。
・応募票は、作品1通につき1票必ずつけてください。
・複数応募する場合も、それぞれの感想文に応募票が1枚ずつ必要です。
・応募票がない場合、作品を受付けることができません。

【郵送先】
〒101-0051
東京都千代田区神田神保町2-2-30 4F
JPIC「マンガ感想文コンクール」事務局

【賞について】
グランプリ…各部門1名
特別賞…各部門より若干名
団体賞…団体による応募に対して、応募数、作品内容を考慮し若干団体
※入賞者には賞状と賞品を贈呈いたします。

【入賞発表】
賞は2023年2月に本人・保護者の方宛に通知します。

※団体賞および個人への連絡が難しい場合など、在籍校に連絡することがあります。


【表彰式】
2023年3月、入賞者を招待して東京で表彰式を予定しています。

※コロナウイルス感染症の状況など今後の動向により中止・延期する可能性があります。


【応募作品について】
・入賞された方の作品・氏名・学校名・学年は主催者の刊行物やWEBサイトで公表します。また、テレビ、ラジオ、雑誌、書籍、教材、出版物など各種媒体で使用・公表することがあります。
・入賞作品以外の応募作品についても、今後、当コンクールについて発表する際、文章や絵を使用することがありますので、ご了承ください。

【お問い合わせ】
E-mail:manga@jpic.or.jp

ダウンロード応募票・原稿用紙のダウンロードはこちら

告知用ポスター

今年度の応募受付は終了いたしました。

応援メッセージ 敬称略、五十音順

齋藤孝教授

 小学生の時からずっとマンガファンです。マンガは絵とセリフがセットなので、人物の感情がグッと伝わってきます。
 マンガを読んでいるときは、その世界に入り込んで、自分が主人公になった気持ちでセリフを言っていました。
 50年前に読んだ『巨人の星』や『あしたのジョー』や『天才バカボン』のセリフは、今でもスラスラ言えます。マンガが血となり肉となっているのです。マンガが僕の心の土台になっています。
 マンガを読むと、すぐに人と話したくなります。好きなキャラクターについて語り合い、ストーリーの展開について共感しあいたい。マンガの感想を言いたい気持ちがあふれてきます。
 マンガには魅力的なキャラクターがたくさん出てきます。その一人ひとりの心を読み取ることで、心の読解力が身につきます。
セリフを声に出して読み、覚えてしまうことで、人物を自分の内側に取り込んでしまう。これは深い理解です。感情移入しやすいのがマンガの魅力です。
 また、ストーリーの展開を予測しながら追うことで、文脈を理解する文脈力が育ちます。意外な展開に驚き、ストーリーに引き込まれていく。その快感を言葉にして、人と分かち合うのは最高の喜びです。
 マンガの感想を人に伝えようとすることで、自分の感じたことが何なのかが、はっきりします。
 文章に書いてみると、よりいっそう考えがクッキリします。文章を書くのは苦手な人でも、マンガの感想文なら書きたくなると思います。なぜなら、好きだという思いがあふれて、書くエネルギーになるからです。
 日本のマンガは世界に誇る文化です。世界中にファンがいます。マンガの感想文を書くことは、マンガ文化の価値を高めることになります。
 心を豊かにし、文化の価値を高める! そんな熱い思いでマンガの感想文を書いてほしいです。

スクロール

プロフィール
1960年静岡生まれ。明治大学文学部教授。東京大学法学部卒。同大学院教育学研究科博士課程を経て現職。著書に『声に出して読みたい日本語』(草思社)『読書力』『新しい学力』(岩波新書)等多数。NHK Eテレ「にほんごであそぼ」総合指導。

林 修先生

 読書感想文と聞くと、学校の宿題などで仕方なく「書かされる」ものだと思っている人もいるかもしれません。でも、自分が大好きなマンガについての感想文ならばどうでしょうか? 自分の「推す」マンガについて、熱く語りたいと思う人は多いのではないでしょうか。しかし、その熱い思いを、勢いだけで書こうとしても、なかなか文章には仕上がらないものです。
 自分の思いを、読んだ人にも伝わる、きちんとした文章にするためには、自分の頭のなかで、ああでもない、こうでもないと考えることが必要です。しかも、人間の思考は、書くことなしに進めることが非常に難しいものなのです。つまり、ある考えが浮かんでとりあえず書いてみる、書かれたものを見て自分が考えていたことがハッキリわかる、といったことを繰り返すなかで前に進んでいくものなのです。こういう知的体験を、一人でも多くの若い皆さんに味わってほしいからこそ、このコンクールを応援することにしました。
 もちろん、マンガについて書くほうが、小説などの本を読んで書く感想文よりもよいとまでは言いません。しかし、素晴らしいマンガも多数あります。マンガを読んで感動した、面白いと思ったという思いから始まって、その思いを人に伝えるために、一生懸命言葉を探す――この、集中力を伴わねば成し遂げられない、しかし実は楽しい作業に、一人でも多くの若い人が、意欲的に取り組んでくれることを願っています。

スクロール

プロフィール
1965年愛知県生まれ。東京大学法学部卒業。東進ハイスクール・東進衛星予備校現代文講師。名台詞「いつやるか?今でしょ!」で大ブレイク。現在、テレビ朝日系列「林修のレッスン!今でしょ」、フジテレビ系列「林修のニッポンドリル」ほか多くの番組に出演。著書多数。

三浦しをん先生

 子どものころからマンガが大好きで、いまもいろいろ読んでいます。マンガは私にとって、ずっと身近にいてくれる友だちみたいな存在です。
 マンガを読むと、自分も胸躍る冒険を味わった気がしたり、ときめく恋愛を見守る気持ちになったり、とっても楽しいですよね。それだけじゃなく、登場人物たちの苦しみや悲しみも描かれていて、「もし、現実で同じことが起こったら、私はどうするだろう」と思いを馳せることもあります。
 みなさまは、どんなマンガが好きですか? 好きなマンガの、どこがどういうふうに魅力的なのか、登場人物の言動のどういうところに心惹かれるのか、ぜひ教えていただければうれしいです。「このマンガが好きだー!」って叫びを、自由に、思うぞんぶん、文章で表明してください。大切なお友だちの、いいところ、好きなところを、みんなに紹介するみたいに。
 みなさまの感想文をきっかけに、新たなマンガ、まだ読んだことがなかったマンガにめぐりあうひとが、きっと大勢います。ふるってご応募ください。

スクロール

プロフィール
1976年東京生まれ。2000年『格闘する者に◯』でデビュー。06年『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞、12年『舟を編む』で本屋大賞を受賞。15年『あの家に暮らす四人の女』で織田作之助賞、『愛なき世界』で日本植物学会賞特別賞を受賞した。近著に『エレジーは流れない』(双葉社刊)。

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Q&A 「マンガの選び方がわからない」
「どのようなことをかけばよいの?」
などの疑問に答えます。

質問をクリックすると回答が表示されます。

Q1【マンガをどのように選んだらよいですか? 教えてください。】

たくさんあるマンガからなにを選んだらよいのか。実際に書店に行ってみて興味を持ったものを読んでもよいです。アニメや実写ドラマ化など、話題になっているマンガを読んでみるのも一つの手です。家族や友達、身の回りの人と好きなマンガをおすすめし合うことでふだん読まないジャンルのマンガを知るきっかけになるかもしれません。
迷った場合は、パンフレットの「おすすめマンガ」もぜひ読んでみてください。自分が読んでいて気持ちが動かされるような作品を選んでみましょう。


Q2【どのようなことを書けばよいですか?】

マンガを読んで、自分の思ったこと、考えたことを自由に書いてください。読んでいるときに心が揺さぶられ、感動しましたか?なぜ自分の心が動いたのかよく考えてみましょう。自分自身にとって大切な意味を見つけ、その発見や感動をほかの人にことばで伝えようとするのが感想文です。


Q3【どういう順序で書きすすめればよいですか?】

感想文を書くための決まった順序や方法はありません。内容も自由です。ですが、迷った場合は下を参考にしてみてください。
ライン
1
マンガを決めましょう。
s_futabasha_5 ペリリュー s_hakusensha_1 3月のライオン シリーズの場合は全部でも、その中の1冊(第○巻)でもよいです。短編や読み切りのものでもかまいません。
ライン
2
心に残った場面、コマやキャラクターのセリフを
いくつか探してみましょう。
ライン
3
場面・コマ・セリフがどうして
心に残ったのか理由を考えてみましょう。
カット1
ライン
4
マンガに描かれていることと自分の体験、
見たこと聞いたことや考えとを比較してみて考えを深めましょう。
カット2
ライン
5
マンガを読む前と後で自分の考え方などに変化があったかどうか。
マンガを読むことが自分にとってどういう意味があったかなど
考えてみましょう。
ライン
6
❷~❺についてメモにしてみましょう。
ライン
7
メモを整理し、いちばん伝えたい内容を選んでみましょう。
ライン
8
実際に書いてみましょう。

何から書きはじめればよいか、文章の構成など考えてください。迷ったときは周りの人に話してみるのもよいです。伝わりやすかったことばや順番がヒントになるかもしれません。


Q4【決められた文字数以内なら何文字でもよいですか?】

たくさん書いたほうが読む人に伝わりやすいです。ですが、このマンガ感想文コンクールでは自分の考えや気持ちをきちんと表現できていれば、短くても文字数いっぱいでなくてもかまいません。決められた文字数の中で自分が納得できるまで書ききってみてください。


Q5【絵は描かなくてはいけないのですか?】

感想文を書きながら(書いてみて)、「絵も描きたいな」とか「絵もあったほうが自分の言いたいことが伝えやすいな」など感じたら、ぜひ描いてみてください。描かなくても審査には影響しません。提出する場合はA4の紙(コピー用紙や画用紙など)を使い、裏面には必ず名前を記入してください。


Q6【感想文が書けたらどうしたらよいですか?】

下書きを終えた文章は次の点に気をつけて読み直してみてください。
誤字脱字(文字のまちがいや抜け)がないか。
自分の感じたことや意見が書けているか。
原稿用紙の使い方はあっているか。

手書きの場合は原稿用紙にはっきりていねいに清書してください。
必ず応募票を記入し、原稿用紙の右肩にクリップなどでとめて提出しましょう。

2022年の受賞作品マンガ感想文コンクール2022

小学校低学年の部

グランプリ

奥島 嗣遼さん (愛媛大学教育学部付属小学校 3年)

感想文題名: 「マンガで読みとき」
読んだマンガ:藤子・F・不二雄/『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争2021』(小学館)


グランプリ

大石 亘己さん (東京都新宿区立愛日小学校 2年)

感想文題名: 「自てん車にのろう!」
読んだマンガ:渡辺 航/『弱虫ペダル』(秋田書店)


特別賞

三宅 陸斗さん (東京都新宿区立西戸山小学校 1年)

感想文題名: 「マッシュのつよさ。」
読んだマンガ:甲本 一/『マッシュル-MASHLE-』(集英社)


特別賞

奈良 芹香さん (聖ドミニコ学院小学校 3年)

感想文題名: 「まるちゃんと過ごすぐうたら夏休み」
読んだマンガ:さくらももこ/『ちびまる子ちゃん』(集英社)


特別賞

後藤 郁さん (東京都足立区立舎人第一小学校 2年)

感想文題名: 「仲直りのしかた」
読んだマンガ:臼井儀人/『クレヨンしんちゃん おおっ!オラのパワーは無限大だゾ編』(双葉社)


特別賞

渡辺 柊さん (宮城県仙台市立南吉成小学校 2年)

感想文題名: 「ぼくもまかいに行ってみたい」
読んだマンガ:西 修/『魔入りました!入間くん』(秋田書店)




小学校高学年の部

グランプリ

篠塚 瑛斗さん (東京都江戸川区立船堀小学校 6年)

感想文題名: 「しあわせ」
読んだマンガ:矢部太郎/『大家さんと僕』(新潮社)


特別賞

田中 萌果さん (熊本県熊本市立秋津小学校 6年)

感想文題名: 「育児は事件!?」
読んだマンガ:上地拓郎/『じじいくじ』(KADOKAWA)


特別賞

小林 丈士さん (東星学園小学校 5年)

感想文題名: 「「サザエさん」を読んで」
読んだマンガ:長谷川町子/『サザエさん』(朝日新聞出版)


特別賞

大出 瑞己さん (千葉県柏市立柏第六小学校 6年)

感想文題名: 「細胞の不思議、そしてすごさ!」
読んだマンガ:清水 茜/『はたらく細胞』(講談社)


特別賞

益田原 由芽さん (沖縄県うるま市立南原小学校 5年)

感想文題名: 「敵にとっての普通」
読んだマンガ:堀越耕平/『僕のヒーローアカデミア』(集英社)


特別賞

山本 未織さん (兵庫県神戸市立真陽小学校 5年)

感想文題名: 「夢に向かって努力」
読んだマンガ:ジョージ朝倉/『ダンス・ダンス・ダンスール』(小学館)




中学校の部

グランプリ

長谷 菜月さん (兵庫県尼崎市立武庫東中学校 3年)

感想文題名: 「友の背中を見て」
読んだマンガ:藤本タツキ/『ルックバック』(集英社)


特別賞

野添 晴仁さん (宮崎県川南町立国光原中学校 3年)

感想文題名: 「小さいこと」
読んだマンガ:古舘春一/『ハイキュー!!』(集英社)


特別賞

髙橋 仁美さん (東京都小平市立小平第一中学校 3年)

感想文題名: 「私は凡人」
読んだマンガ:山口つばさ/『ブルーピリオド』(講談社)


特別賞

平瀬 遥規さん (城北中学校 2年)

感想文題名: 「今まさに漂流中」
読んだマンガ:楳図かずお/『漂流教室』(小学館)


特別賞

加納 由璃子さん (東京都三鷹市立第四中学校 3年)

感想文題名: 「理想を守ること」
読んだマンガ:西 修/『魔入りました!入間くん』(秋田書店)




高等学校の部

グランプリ

瀬戸 望結さん (開智高等学校 1年)

感想文題名: 「誰もがかつて子供だった」
読んだマンガ:あずまきよひこ/『よつばと!』(KADOKAWA)


特別賞

高田 菜未さん (神奈川県立横須賀高等学校 1年)

感想文題名: 「十人十色」
読んだマンガ:吉村旋/『性別「モナリザ」の君へ。』(スクウェア・エニックス)




団体賞

長野県飯田市立伊賀良小学校 /
高知市立義務教育学校 土佐山学舎 /
群馬県甘楽郡甘楽町立福島小学校

市川学園市川中学校 /
上智福岡中学校 / 栃木県宇都宮市立国本中学校 /
広島叡智学園中学校

滝川学園高等学校 /
山口県立柳井商工高等学校


審査員の講評

受賞者全体に向けて
甲斐雄一郎

 私たちは数多くのマンガを読むことによって自分自身を、友達や家族を、そして世界を、広く深く理解し発見することができます。マンガ作文コンクールの意味は、皆さん一人一人がマンガを通して理解したことや発見したことを交流することにあります。
 もちろん、そのようなことができるのはマンガだけではありません。童話や小説などの読書や、アニメや映画の視聴などを通しても同様の経験を得ることはできるでしょう。このようにマンガは他の媒体と共通した面もありますが、またマンガ固有の特徴もあります。
 このようにマンガによって得られる発見や感動について、マンガ固有のものと物語やアニメ、映画などと共通のものと注目しながら整理してみると、マンガ読書をさらに楽しむ方法を共有する手がかりがえられることになるかもしれません。
 今回私たちが読むことができた作品群はそうした期待にこたえてくれるものでした。




甲斐雄一郎

ストーリーを追いつつ冒険を楽しむのが映画、セリフの読み解きを通して人物の心情を追うことができるのがマンガという発見、それぞれに異なる好きな部分を見つけたことについて、もう一つの物語を見つけたみたいだという発見、これら二つの発見に奥島さんの作品の価値はあります。

町田守弘

『ドラえもん』はマンガだけでなく、映画でも楽しむことができます。この感想文はマンガと映画を比較して、それぞれの特色を明らかにした点が特に優れています。スネ夫のせりふから始まるところや、「もう一つの物語」の発見など、内容・表現ともによくまとまった文章になっています。

藤本由香里

作品の楽しさを素直に伝えているところに惹かれました。
作品に出てくる自転車のテクニックを真似してみたら、上り坂が楽になった。仲間の後ろを走ると疲れない。でも「おかあさんのうしろをはしったら、ぶつからないようにするのがむずかしかった」
このくだりが最高! です。

ブルボン小林

大石さんの感想文は書き出しがすごい。「小の田さかみちはめちゃくちゃはやい」スパッとして気持ちいい! 内容もいい。「おかあさんのうしろをはし」るなんて書くことで、マンガと大石さんの暮らしがむすびついていることがよく分かる。大石さん、すべてのマンガが、実は「勇気」のことを描いてます。これからもいろいろ読んで、しっかり楽しく暮らしていってください。

藤本由香里

まだ1年生なのに、「ぼくが考える強さ」が的確なことに感心しました。とくに三つめ。
「人をみためや、てき・みかたできめないで、しっかりと人をみることができることです。てきでも弱い人はたすけます」
ほんと、その通り! 大人でも、心に刻んでおきたい言葉です。

萩原綾乃

まるでちびまる子ちゃんの秀逸な1話を読むような感想文でした。
夏休みの宿題ををラストのラストまでやっている様子も、感想文のラストの行まですべてが面白くて吹き出しました! まさに貴方こそがちびまる子ちゃん!

ブルボン小林

後藤さんは、マンガにはお決まりのパターンがあることを分かっている。そして、たまにパターンが外れることの面白さがあって、それも味わうことができている。マンガ読みの上級者です。また、これは感想文だけど、読んでいない人に、ちゃんと醍醐味が分かるように紹介できています。最後の発見も、決めつけないで想像にとどめているところに、後藤さんの品の良さを感じました。

中野博之

とても豊かな感受性を持った作者だなと思いました。しんちゃんと風間くん『二人のケンカの中に「ごめんね」がかくれている』という文章が素晴らしかったです。マンガは(現実もかもですが)、書かれているセリフが表現の全てではありません。流れや動作、表情で2人の関係性の機微をしっかり読み取ってくれているのが頼もしいと感じました。

藤本由香里

素直に、作品の真っ芯をとらえた感想だと思いました。
たとえば、「はじめは、まわりに気づかれないか心ぱいでドキドキしていました」。
そして「ぼくのクラスにあくまがいて、その子となかよしだったら、まわりにひみつにしてまもってあげて、いつか二人でまかいにあそびにいってみたいと思います」
ステキなラストでした!

ブルボン小林

篠塚さんはシーンの紹介の仕方がとても巧みでした。しあわせの在り様を「季節」「平和」「誰かと生きること」と分類し、多面的な良さを簡潔に示すことができてます。感想文とはだいたい「感動した」ことを書くのだけど、感動を押しつけがましくなく手渡すのには技巧も必要です。もちろん、技だけでない、篠塚さんの優しさも感じ取れました(作品の優しさにも似ています)。

中野博之

非常に文章が上手くて驚きました。読んでいて気持ちが良いリズムの文体で、マンガの素直な感想が語られていて、伝わってくるものが多かったです。また、作中の風景のシーンについての言葉が多かったのも良かったです。セリフがない・人物がいないコマもマンガでは大切な部分で、そこまでじっくり読んでくれているのが伝わってきました。

藤本由香里

「絶対自分では選ばない本」という書き出しがいいです。老刑事の育児を描いた作品から、自分が赤ちゃんだった時もこんなにたいへんだったの?とお母さんに聞くとか、亡くなったおじいちゃんを思い出して、老刑事の子育てがしだいに祖父と自分に見えてくるとか、作品がしっかり自分の中に根付いていく過程が見えてよかったです。

町田守弘

表紙の絵のリアルな描写から育児の苦労を読み取ることを起点として、マンガと自身の体験を見事に重ね合わせて具体的にまとめています。マンガに登場する人物から、他界したお祖父さんのことを想像する記述が印象に残りました。しっかりした構成で、効果的にまとめられた感想文です。

ブルボン小林

小林さんはアニメとマンガのメディアの違いに注目したことがまず偉い。個々の4コマの内容ではなく、マンガそのものの意義を、小林さんなりに想像してみているのもいい。大きくなって新聞や戦争や、昭和の歴史をもっと深く知ってから、この感想文を読み返してみてほしい。想像通りのことも少し違うこともあるだろうけど、今、想像してみたということに大きな価値があります。

萩原綾乃

細胞の知識もマンガに対する萌えも、そして今の社会情勢さえもすべてを1つのマンガ作品から学びとってくれるすばらしい吸収力!
私ももう一度、『はたらく細胞』を読み返したくなりました。

藤本由香里

「敵にとっての普通」というタイトルが、この感想文のテーマをくっきりと言い表しています。
たとえ血に興味があるという「個性」が他の人には気味悪く見えようとも、それはその人にとっては「普通」。それを差別するのも、「かわいそう」だと思うのも違う。とくに「かわいそうだと思うのはすごく失礼」という言葉は、大人にも強く言いたいです。

甲斐雄一郎

「指先からつま先までの神経がいきとどいている」というような、人物の動きの描写への着目がマンガ読書ならではの特徴を浮き彫りにしています。そしてそこから受け取った感動を、たたみかけるような文体で表すことによって、この作品に寄せる山本さんの感動が力強く伝わってきます。

藤本由香里

唯一、「この作品は、背中のみで語られるシーンが多い」と漫画表現の特徴に注目した感想文でした。それが原作、そしてこの感想文自身のタイトルとも重なっています。
主人公と同じくマンガ家志望だけれど半ばあきらめている筆者は、具体的に夢を語る友に刺激され、葛藤します。友の背中を見ながら、でも、「二人は…互いの背中に支えられ続けていくのだな」。これは作品のことでもあり、友との未来でもあるでしょう。見事です。

町田守弘

マンガの内容をよく理解したうえで、特に「背中」に着目して重要な場面を取り上げたことで、優れた感想文になりました。自身の「夢」の具体例に即して、友人との関係が適切に描かれて効果的です。全体的に構成がしっかりと整っていて、内容・表現ともによく工夫された文章です。

萩原綾乃

きっと古舘春一先生も『ハイキュー!!』はこうやって読んでほしかったと思います。作家さんも編集者も大喜びする直球ストレートのすばらしい感想文です。このようなものの見方が出来るので野添さんは強くなること間違いなし!

町田守弘

主人公の状況が具体的に紹介され、マンガの内容面だけではなく、表現面の特徴も視野に収められています。「あなた」という二人称を用いた問いかけは効果的です。表現上の様々な工夫や、「眉目秀麗」「天真爛漫」「新感覚」などの使用された語彙の豊かさも、感想文の質を支えています。

ブルボン小林

髙橋さんの文章の、生真面目なところに好感を持ちました。このマンガ感想文の応募作は作中の「台詞」に感動するものがとても多い中、ここでは人物の「表情」に感じ入っているところもよかったです(漫画なのだから、文字だけでなく描かれていることにも感想をもつはずだ)。清々しさとドロドロの両面を見据える姿勢はほかの読書にもきっと有効だと思います。

中野博之

キャッチーな言葉から始まる導入部分が上手く「一体どういうこと?」と心を掴まされました。また、漂流教室を現在のコロナ禍に例えていく内容は、今の中学生が感じていること・苦しんでいることがリアルに体感でき、私たちにも気づきが多かったです。「心の中は何か砂漠をかかえているかのようである」という一文に強い時代性も感じました。

甲斐雄一郎

マンガとのよい出会いを通して「自分と向き合う手段でもある」という加納さんの発見は、マンガを読む意味の一面を再確認させてくれました。それは人物像の理解をふまえたさまざまな状況への対処の仕方、そしてその際の表情などへの着目によってもたらされたものでした。

ブルボン小林

加納さんは、一つのマンガを通じて、あらかじめ抱いていたマンガ全般への印象と、その変化をみつめています。「今でも少し思っている」と正直な吐露を挟んだり、その視線は誠実。「私は何か理想があるのだろう」という俯瞰的な観察もいい。次のマンガがまたさらなる発見を加納さんにもたらしてくれるんじゃないかと思います。

甲斐雄一郎

初体験を前にした緊張、失敗を経た成長、その子を見守る周囲の人々のまなざし、それらがもたらす感動に国境をこえた普遍性を見出している点にマンガの可能性を感じさせられます。さらに現実世界での登場人物の行動を推測してみることもマンガ読書の楽しみに新たな光をあてています。

中野博之

まず、マンガの「ストーリー」よりも「キャラクター」に重きを置いた内容にオリジナリティを感じました。そして「世界中に読者がいる」という視点も良かったです。キャラクターと世界展開、これはマンガというジャンルが持つ大きな特長の2つだと思います。小説を読んでではない、「マンガ」感想文ならではの作品として大変素晴らしかったです。

藤本由香里

「性別」や性的マイノリティに、近年注目が集まっている。筆者は、自分の体験や、作中で描かれたエピソードなどから、「性別」のあり方を考えていく。
筆者自身による<単に「女性」と分類していても全く同じ性自認の人はいない>という指摘は、専門家でもこの認識に至るのは難しい鋭い指摘だ。少なくとも私は、目を開かされた気がした。

最終審査員(敬称略)
  • 甲斐雄一郎
  • (文教大学教授)

  • 藤本由香里
  • (明治大学教授)

  • 町田守弘
  • (早稲田大学名誉教授)

  • ブルボン小林
  • (コラムニスト)

  • 中野博之
  • (集英社 週刊少年ジャンプ編集長)

  • 萩原綾乃
  • (小学館 ちゃお編集長)

※受賞者・審査員方々の情報は、2023 年3月時点のものになります。



受賞式の様子マンガ感想文コンクール2022

集合写真集合写真

小学校低学年の部小学校低学年の部

小学校高学年の部小学校高学年の部

小学校高学年の部中学校の部

小学校高学年の部高等学校の部

主催:一般財団法人出版文化産業振興財団(JPIC)
共催:マンガ感想文コンクール実行委員会

協力:コミック出版社の会
協賛:秋田書店/潮出版社/KADOKAWA/講談社/集英社/
小学館/スクウェア・エニックス/白泉社/双葉社/
リイド社/日本図書普及株式会社


©西修/秋田書店 ©Mine Yoshizaki/KADOKAWA 
©真島ヒロ/講談社 ©尾田栄一郎/集英社
©青山剛昌/小学館 
©Hiromu Arakawa/SQUARE ENIX 
©クール教信者/双葉社 ©高浜寛/リイド社