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【5月14日開講】斎藤理生さん連続講座「やっぱり読みたい日本の近代文学~ていねいに読む太宰治~」

オンライン
2022年4月11日更新
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夏目漱石『こころ』、太宰治『走れメロス』、谷崎潤一郎『細雪』、宮沢賢治『注文の多い料理店』。
学生時代に教科書で読んだっきり...、持ってはいるけど一度も開いたことがない!結局どれから読むのがいいの?...etc.そんな方の「読みたい!」気持ちを後押しするシリーズ講座が始まります。
講座名は【やっぱり読みたい日本の近代文学】。

5月14日より始まるのは太宰治を読む連続講座、講師は斎藤理生さん(大阪大学 教授)です。
スキャンダラスな生涯から、「こじらせた男」「気難しい人」など暗いイメージの太宰ですが、作品のほとんどが話し言葉の、現代人にも読みやすい文章を書く作家でした。
本講座では『走れメロス』『斜陽』『人間失格』の代表作にも触れながら、短編作品『親友交歓』、長編作品の『惜別』を読み解いていきます。 初めて読む方も、もう一歩踏み込んで読んでみたい方も、是非この機会にお申し込みください。

《開催概要》
【講 義】
「やっぱり読みたい日本の近代文学~ていねいに読む太宰治~<全3回>」

【講 師】
斎藤理生さん(大阪大学 教授)

【日 時】*見逃し配信あり
・第1回 5月14日(土) 10:00-11:30
・第2回 5月21日(土) 10:00-11:30
・第3回 5月28日(土) 10:00-11:30

【参加費】
(1)全3回...5,000円(セット割)
(2)各 回...2,000円

【申 込】



【講座について】
◎第1回 太宰治の創作活動
太宰治(1909-1948)という作家の名前は有名です。ただ、太宰がどのような時代を生き、どのような小説を書いたのか、ということは、意外に知られていないのではないでしょうか。太宰の創作活動期間は、1933年から1948年までの約15年間です。戦前・戦中・戦後にわたる激動の時代の中で、太宰はどのようにデビューし、文壇や読書界で認められ、流行作家となっていったのでしょうか。『走れメロス』『斜陽』『人間失格』など、代表作にも触れながら、太宰の創作活動の全貌を見渡します。

◎第2回 短編を読む――『親友交歓』
太宰治は、実に150を超える作品を発表しています。有名な作品が面白いことはもちろんですが、マイナーな短編にも「掘り出しもの」が少なくありません。敗戦直後に発表された『親友交歓』もその一つです。疎開中の、太宰自身を想わせる作家「私」の元に、旧友を自称する男が訪ねてくるのですが、なかなか楽しい思いはさせてもらえず...というこの小説を細かく読み直しながら、読者を巻きこんでゆくような、太宰独特の語り方についても考えます。

◎第3回 長編を読む――『惜別』
太宰治は、中国の文豪・魯迅(1881-1936)の伝記小説も書いています。仙台の医学校に留学してきた、まだ「魯迅」になる前の若き「周さん」が、友人の「私」の手記を通じて描かれます。この、戦時中に執筆され、戦後に刊行された長篇の内容はどのようなものなのでしょうか。また、それは被占領期において、どのように改変されたのでしょうか。『惜別』という作品を、内容ばかりでなく、本文の変化にも注目して読み解き、太宰と彼が生きた時代について考えます。

<講師プロフィール>
斎藤理生(さいとう・まさお)
1975年生まれ。大阪大学大学院文学研究科修了。博士(文学)。
群馬大学教育学部講師、准教授を経て2014年から大阪大学大学院文学研究科准教授。現在、大阪大学大学院人文学研究科教授。
著書に『太宰治の小説の〈笑い〉』(2013)、『小説家、織田作之助』(2020)がある。

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